必ず歯が悪くなる歯並び:開咬
投稿日:2024年7月28日
カテゴリ:05.矯正(大人)の症例 09.咬み合せの症例
必ず歯が悪くなる歯並びがあります。
それは 開咬 という歯並びです。下の写真がそれです。
奥歯しか当たっておらず、前歯には全く当たっていません。
本来でしたら上の前歯は下の前歯をわずかに覆っていなければなりません。
本来の歯並びの場合、カチカチかんだ時は奥歯が当たって前歯は当たりません。
ギリギリ歯ぎしりしたときは犬歯や前歯が当たって奥歯は当たりません。
しかし、この歯並びはカチカチでもギリギリでもいつでも奥歯しか当たらないため、奥歯が使い過ぎによってダメになってしまうのです。
具体的には使い過ぎで神経に痛みが出て、神経を取ることになります。神経を取ると歯がもろくなるので割れてしまいます。抜歯して入れ歯を入れても、歯が割れるくらいの力がかかるので痛くて入れていられません。インプラントを入れても負担過剰でインプラントがだめになるか咬み合っている歯がだめになってしまいます。
高齢になって歯を失い、非常に苦労する歯並びです。
歯を抜歯するとインプラントを勧められると思います。しかし少しお待ちください。歯が悪くなるという事はその歯に不当な力がかかっている、つまりかみ合わせが悪いという事が考えられます。かみ合わせを考えずにインプラントをするという事は、家で例えるならば、リフォームするにあたってそもそも家の設計が悪いのに、設計を変えずに木の柱を鉄の柱に変えるようなものです。根本解決になっていないのです。
最近は矯正をするにあたってアライナー矯正(マウスピース矯正、インビザラインなど)を勧められると思います。しかし、少しお待ちください。上記のような横顔のレントゲンを撮って分析していますか?
このレントゲンを撮らないで矯正をするというのは、地盤調査や測量、設計図面を書かないで家を建てるようなものです。矯正をするときは必ず横顔エックス線(セファロ)を撮影してもらってください。
矯正終了時の写真です。
カチカチでは奥歯が当たり、ギリギリでは前歯が当たるかみ合わせになりました。
これによって高齢になっても奥歯がなくなる可能性が非常に減りました。
年齢・性別 | 40代 男性 |
治療費用 |
矯正開始時:\550,000 調整量:\11,000/月 × 16カ月=\176,000 保定装置:\55,000 総額:\781,000 この方は開咬ではありますがガタガタの歯並び(叢生)ではなかったため、比較的早く治療が終わりました。 一般的には3~4年かかります。 |
治療期間 | 16カ月 |
リスク |
この方の場合はワイヤー矯正で治療しました。 最近はアライナー矯正(マウスピース矯正)で目立たないように治療することを望む方が増えてきました。現在当医院でもマウスピース矯正の症例は増えてきましたが、一般的にマウスピース矯正の方が期間が長くかかると思ってください。 マウスピース矯正でどうしても歯を動かすことが出来ない場合、一時的にワイヤーを使うことがあります。
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