インプラントができない方の為の入れ歯:テレスコープデンチャー
投稿日:2025年1月10日
インプラントをやりたくてもできない方は一定数いらっしゃいます。
・無い歯の本数が多ければインプラントの本数も増え、予算的にできない方。
・骨が薄くて大きな外科処置を複数回しなければインプラントができない方。
その様な方は残念ですが義歯にせざるを得ません。
院長清水は大学卒業時、高齢社会になれば入れ歯の需要が増えるはず、と考え、補綴科にて入れ歯を専門に学びました。しかし、時代は入れ歯からインプラントという外科処置へと移ってしまいました。
入れ歯の最終進化形態と言えるものが、このテレスコープデンチャーです。
テレスコープデンチャーにも何種類かあるのですが、メインはコーヌステレスコープデンチャーです。
70代女性です。
咬めるようにしたいという主訴でした。
出っ歯・反っ歯気味となっております。
もしインプラントにした場合、上顎には6本~8本ほどインプラントを入れなければならず、金額は240万~320万程度と考えられました。
インプラントはない歯の本数が多ければ多いほど骨に埋入する本数が増えるため、金額がかかります。
さすがにそれほどの予算はないことからテレスコープデンチャー(デンチャーとは義歯の事)を希望されました。
テレスコープデンチャーの場合、ない歯の本数が多いほど、つまり残っている歯の本数が少ないほど、治療費が安くなります。
義歯が完成し、装着したところです。
出っ歯・反っ歯もある程度改善しております。
義歯を外すと以下のようになります。
コーヌステレスコープデンチャーは残っている歯に土台となる被せ物をし、さらにその上に装着する、かぶせ物と一体化した義歯の事を言います。
年齢 性別 | 70代 女性 |
治療期間 | 義歯の製作だけならば2か月 |
治療費 |
内冠+外冠\30万×4本:\120万 義歯部:\35万 小計:\155万 税10%:\15.5万 総額:\170.5万 (物価の上昇、特に金属の値段が上がっているため、値上げの可能性は高いです。) |
利点 |
非常に良く噛めます。入れ歯の最終進化形態ともいえ、入れ歯はこれをもってその歴史がほぼ途絶え、インプラントへと移行しました。 失った歯の本数が多ければ多いほど、費用対効果が良くなってきます。 残っている歯が順次なくなっていっても、作り直さずにそのまま使えます。 |
欠点 |
上顎の場合、天井を覆う事になります。(入れ歯のがたつきが少ないため、嘔吐反射・えづく人でも意外と慣れてきます。) インプラントは全く動かないが、義歯であるため、多少は動きます。 義歯を外すと、見た目が良くない 初めて入れる義歯がこの義歯だと、比較対象が健康だった時のすべてそろった自分の歯となるため、満足されないことも考えられます。しかし、一度でも保険の入れ歯を入れた経験のある方ならばその素晴らしさがご理解いただけます。 |
大学卒業後、数十症例を行ってきました。その中で開業してから2症例ほど上手くいかず、患者さんとの関係が悪くなったものもありました。
しかし、なぜ上手くいかなかったかが今ではその原因がわかります。
私が最高だと考える治療は
下顎はインプラントで歯をそろえる、上顎はテレスコープデンチャーにする
です。
この治療計画ならば20年もつ治療も実現の可能性が高いです。
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