小臼歯を抜かない矯正治療

投稿日:2024年7月21日

カテゴリ:05.矯正(大人)の症例

ガチャガチャの歯並び(叢生)を気にされて来院された20代女性です。

このようなガチャガチャの歯並びの場合、「歯の本数(28本)に対して顎が小さいからが乱雑な歯並びになる。顎は大きくならない。よって何本か歯を間引いて並べる」という考えが主流です。たいていの場合小臼歯と呼ばれる歯を抜きます。

しかし、もう一つの考え方として、「歯が垂直に立っていなければならないにもかかわらず、斜めに倒れている。斜めに倒れているものを正直させれば並ぶはず」という考えもあります。

後者の考えに沿って歯を抜かずに矯正しました。

抜歯をせずに歯を並べることが出来ました。

この矯正治療法は MEAW または GEAW という方法です。

矯正治療はそのやり方や考え方、流派が30くらいはあるそうです。

小臼歯その他を抜歯するかしないか、ワイヤーで治療するかマウスピースでするか、ワイヤーならば表に装置をつけるか裏側につけるか、乳歯がある段階から矯正を始めるか永久歯にすべて生え変わってから始めるか、などの違いでそれだけ考え方が違います。

MEAW矯正に関しても「口元が大きく膨らんだ感じになる場合がある」という問題点も指摘されますが、逆に抜歯する矯正に関しても「口元が凹んで老人のような顔になる場合がある」という問題もあります。

利点ばかりの方法はない という事です。

個人的には 新垣〇衣や上〇彩、黒木〇イサの様に比較的丸顔系の方は、歯列の横の方まで見えても違和感なく、抜歯をしない矯正でもうまくいくような気がします。

逆に非常に細面の方は抜歯した方がいいような気がします。

 

もう一つ大切なことをお知らせします。

最近は装置が目立たないという事でマウスピース矯正が大人気です。

歯並びをスキャナーでデータ化して、パソコン上で歯を並べて、それをもとにマウスピースで並べていくという方法です。

この方法自体に問題はありません。しかし、分析に問題があります。

以下に示す横顔のレントゲン写真(セファロレントゲン)を撮らないで矯正を開始することは絶対やめてください。

この横顔のレントゲンを撮影せず、分析しないで矯正治療を始めると、間違えた方向に歯を動かしてしまうことすらあり得ます。目標地点を間違えてしまい、過ちに向かって治療が進んでしまうことが考えられるからです。

 

マウスピース矯正(アライナー矯正 インビザライン)は当医院でもやっております。

しかし、症例によってはワイヤーをお勧めすることがあることをご了承ください。

年齢・性別 20代 女性
治療費用

矯正開始時:\550,000

調整量:\11,000/月 × 19カ月=\209,000

保定装置:\55,000

総額:\814,000

治療期間

19カ月

このケースは比較的早く終わりましたが、一般的に矯正治療は3~4年とお考え下さい。

また、2年で修了と説明して2年半年かかった場合、説明と違うという事でトラブルになります。

しかし、4年で終了と説明して2年半ならばトラブルになりにくいです。

そのため、長めに治療期間を設定しております。

リスク

この方の場合はワイヤー矯正で治療しました。

最近はアライナー矯正(マウスピース矯正)で目立たないように治療することを望む方が増えてきました。

現在当医院でもマウスピース矯正の症例は増えてきましたが、一般的にマウスピース矯正の方が期間が長くかかると思ってください。

マウスピース矯正でどうしても歯を動かすことが出来ない場合、一時的にワイヤーを使うことがあります。

 

 

矯正を考えている方は治療期間3~4年と考えてください。

「2年もあれば終わるはず」、と患者さんが考えていると、トラブルになる場合があります。特にマウスピース矯正は長引くケースがあります。